より良い台湾を世界へ 強靭な島、レジリエントな国家
10月10日は中華民国の建国記念日 双十国慶節です。10日午前、総統府前広場で祝賀式典が行われました。蔡英文・総統は式典で、「より良い台湾を世界へ 強靭な島、レジリエントな国家」と題する談話を発表しました。
蔡・総統は、今後2年は、総統としての任期終了までとなると述べました。そして、去年の双十国慶節談話で述べた「4つの堅持」という立場をしっかりと守っていくと共に、四つの方向に向かって中華民国台湾をよりレジリエントな国家として建設しなければならないと述べました。
蔡・総統が昨年述べた「四つの堅持」とは、「自由で民主的な憲政体制を永遠に堅持すること」、「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属しないと堅持すること」、「主権の侵犯と併呑を許さないことを堅持すること」、「中華民国台湾の前途は台湾人民全体の意志を尊重しなければならないことを堅持すること」です。
蔡・総統は、また、現段階の国家発展において最も重要な目標は、経済産業、社会的セーフティネット、民主的で自由な制度および国防戦力の4つの方向に向かって、中華民国台湾を強靭性のある国にすることだと述べました。
蔡・総統はさらに、「民主的強靭性」の構築は台湾を守るための鍵であり、まず自由民主体制を揺るぎない国民のコンセンサスにすることだと強調しました。民主主義社会では、違う立場を持ち議論することもできますが、外部からの圧力がどんなに大きかろうとも、自由民主体制を堅持し、一致団結して外部に対応しなければならないと述べました。
次に、情報の透明性とフェイクニュースの判別を強化すること。最後に、国際協力を深化し、民主主義同盟国と緊密に連携することだと述べました。
蔡・総統は、中華民国台湾はすでに、世界の民主主義、自由の重要な象徴となっているとし、台湾の安全を守ることは、地域の安定と民主的価値を維持することであると国際社会は認識していると指摘しました。
また、台湾の民主的自由が破壊されると、世界の民主主義陣営の敗北となるとしました。「民主主義」は、対外的に台湾の国際社会における役割を定めるのではなく、国内的にも社会的強靭性を強化する核心的な戦略だと述べました。
また、台湾海峡の平和と安定は、台湾と中国の関係を発展させる基盤であるとしました。その上で、残念なことに近年、北京当局による軍事的威嚇、外交的圧力、貿易の妨害および中華民国台湾の主権を排除する試みが行われており、すでに台湾海峡および地域の平和と安定の現状を脅かしているとしました。
そして、台湾の人々は73年の共同生活と発展を経て、すでに強いアイデンティティと帰属意識を育んできているとし、台湾の人々と与野党の最大のコンセンサスは主権と民主的で自由な生活様式を守ることで、そこには妥協の余地はないと強調しました。
重ねて、台湾と中国の立場の違いは、歴史的な要因だけではなく民主主義の発展においても方向が正反対であるとしました。
蔡・総統は、北京当局に対し、状況を見誤らないよう訴え、軍事的対立は決して台湾と中国の選択肢ではないと述べました。
蔡・総統は「北京当局は、台湾が活発な民主主義体制であることを理由に判断を誤ってはならない。台湾の人々の民主主義と自由に対する主張が妥協できるものだと誤解し、政党間の激しい競争を利用して台湾社会を分断しようとしている。このような考えややり方は、台湾と中国の関係を良くするどころか、さらに遠くするだけだ。私は北京当局に対し、軍事的対立は決して台湾と中国の選択肢ではないと訴える。台湾の人々の主権と民主主義、自由に対する主張を尊重することによってのみ、台湾と中国の前向きな交流復活の基盤となる。」と述べました。
蔡・総統は、台湾と中国の国境が開放された後、双方の人々の健全で秩序ある交流が少しづつ回復し、さらに一歩進んで台湾海峡の緊張が緩和することを期待していると述べました。
また、理性的で、平等および相互尊重の原則の下、台湾海峡の平和と安定を維持する方法について、北京当局と相互に受け入れられるものを探すことを望み、これも双方の共通の責任であると述べました。
(写真:CNA)